ドローンで撮影した映像を確認したとき、空が不自然に青かったり、夕景が白っぽく見えたり、同じ場所で撮ったはずのカットごとに色が変わっていたりする場合は、ホワイトバランスの設定が原因になっている可能性があります。
ホワイトバランスは、光源によって変化する色の偏りを補正し、白い被写体を自然な白として記録するための設定ですが、空撮では飛行中に太陽の向きや高度、雲の量、地面からの反射光が変わるため、地上で撮るカメラよりも色が揺れやすい点に注意が必要です。
特に動画撮影でオートホワイトバランスを使い続けると、旋回した瞬間や画面内に空が大きく入った瞬間にカメラが色を再判断し、ひとつのカットの途中で青みや赤みが変化することがあるため、編集で複数の映像をつなぐ際に大きな手間が生じます。
ここでは、ドローンのホワイトバランスを合わせる基本手順、ケルビン値の考え方、晴天や曇天、朝夕、雪景色などに適した設定、撮影後に色を整える方法まで整理しているため、初心者でも現場で迷いにくい基準を作れます。
ドローンのホワイトバランスの合わせ方

ドローンのホワイトバランスは、離陸前に撮影場所の光を確認し、オートからマニュアルへ切り替えたうえで、晴天ならおおむね5200Kから5600K、曇天なら6000K前後を出発点として映像を見ながら調整するのが基本です。
ただし、表示されるケルビン値や選択できるプリセット、色かぶりの傾向は機体やカメラによって異なるため、数字だけを正解として扱うのではなく、白やグレーの被写体、空、雲、建物などの色を確認して最終判断する必要があります。
動画では撮影中の色変化を防ぐことが重要なので、自然な色に近づけた後は値を固定し、同じシーンを撮り終えるまで不用意に変更しないことが、安定した空撮素材を残すポイントです。
オートから固定へ切り替える
空撮動画のホワイトバランスは、色を完璧に合わせることよりも、まず撮影中に色が勝手に変化しない状態を作ることが重要なので、基本的にはオートホワイトバランスではなくマニュアル設定を選びます。
オートは静止画を一枚ずつ撮る場合には便利ですが、動画ではドローンが旋回して太陽、青空、緑地、建物などの画面占有率が変わるたびにカメラが光源を再判定し、ひとつの映像内で色温度が動く可能性があります。
色温度が一定の範囲で固定されていれば、少し青みが残った映像や少し暖かい映像でも編集時に全体をまとめて補正できますが、途中で色が変わる映像はキーフレームなどを使って部分的に直す必要があり、自然につなげる難度が高くなります。
マニュアル設定が見つからない場合は、撮影画面のカメラ設定、プロ設定、ホワイトバランス、WBなどの項目を確認し、AutoやAWBの表示を解除してケルビン値または晴天や曇天などのプリセットを選択します。
ケルビン値を基準にする
ホワイトバランスで表示されるKはケルビンと呼ばれる色温度の単位で、ドローン側の設定値を高くすると映像は暖色寄りになり、低くすると寒色寄りになるのが一般的な動作です。
青みが強すぎるときはケルビン値を少し上げ、黄色やオレンジが強すぎるときは少し下げると覚えておくと、プレビュー画面を見ながら直感的に調整できます。
| 撮影環境 | 開始値の目安 | 映像の確認点 |
|---|---|---|
| 日中の晴天 | 5200Kから5600K | 雲が青すぎないか |
| 薄曇り | 5600Kから6200K | 地面が冷たく見えないか |
| 厚い曇り | 6200Kから7000K | 赤みが強くないか |
| 朝夕 | 5000Kから6500K | 暖色を残せているか |
| 電球色の照明 | 2800Kから4000K | 白が黄色くないか |
表の数値は絶対的な正解ではなく、調整を始めるための目安なので、太陽の高さ、雲の厚さ、大気の状態、周囲の反射光、カラープロファイルなどを考慮しながら100Kから300K程度ずつ動かして見え方を確認します。
機体のモニターは明るさや色再現に限界があるため、数値を細かく追い込みすぎるよりも、明らかな青かぶりや黄かぶりがなく、同じシーン内で色が固定されている状態を目指すほうが実用的です。
晴天では白と雲を見る
晴天の日中は5200Kから5600K付近を起点にすると自然な色へ近づけやすいものの、青空が画面の大部分を占める構図では、プレビュー全体が青く見えることだけを理由にケルビン値を上げすぎないようにします。
空そのものは青い被写体なので、ホワイトバランスを判断するときは、白い雲、コンクリート、道路の白線、白い建物、無彩色に近い屋根などを確認し、それらが不自然な水色や黄色になっていないかを見ることが大切です。
順光では比較的自然に見えても、太陽を背にした状態から逆光方向へ旋回すると、霞やフレア、地表の反射によって色の印象が変わるため、本番で使う予定の飛行方向へ機体を向けた状態でもテスト映像を確認します。
晴天の風景を暖かく見せたい場合でも、撮影時にケルビン値を極端に高くすると白い雲や建物まで黄色くなり、後から自然な色へ戻しにくくなるため、演出は控えめにして編集時に微調整できる余地を残します。
曇天では青かぶりを抑える
曇天では太陽光が雲によって拡散され、晴天よりも光が青く感じられることがあるため、日中の晴天設定をそのまま使うと、地面や建物、人物などが冷たく沈んで見える場合があります。
薄曇りなら5600Kから6200K、雲が厚く青みが目立つ状況なら6200Kから7000K付近を出発点にし、白い被写体が無彩色に近づく方向へ調整すると判断しやすくなります。
ただし、曇天だから必ず高い値が必要になるわけではなく、夕方の暖かい光が雲に反射している状況や、赤い建物や土が画面の大部分を占める状況では、高いケルビン値によって赤みが強調されすぎることがあります。
曇り空は飛行中に雲の切れ間から太陽が出るなど光が変化しやすいため、光の状態が大きく変わったら同じ設定で撮り続けず、カットを分けて着陸またはホバリング中に再調整するほうが編集しやすい素材になります。
朝夕は雰囲気を残す
日の出や夕焼けの時間帯は、白を完全な無彩色へ近づけることだけを目的にすると、肉眼で感じた暖かな雰囲気まで打ち消してしまうため、技術的な中立色と作品として残したい印象のバランスを取る必要があります。
夕景が赤すぎるからといってケルビン値を大きく下げると、太陽周辺のオレンジだけでなく、空のグラデーションや地表の反射光まで青くなり、時間帯の特徴が伝わりにくい映像になります。
最初は5000Kから6000K付近で確認し、夕日の暖かさを強めたい場合は少しずつ上げ、赤や黄色が飽和して建物の白が失われる場合は下げるという順序で調整すると、過剰な演出を防げます。
日の出直前から日没後にかけては短時間で光の色が変わるため、長い連続撮影を一本の設定で済ませず、空の明るさや色が変わったタイミングでカットを分け、それぞれに適した値を固定する方法が向いています。
基準になる被写体を使う
目視だけで判断しにくい場合は、離陸地点に無彩色のグレーカードや白に近い基準物を置き、カメラを向けた状態でホワイトバランスを調整すると、周囲の色に惑わされにくくなります。
基準物には撮影対象と同じ光が当たっている必要があり、木陰に置いたカードを日なたの風景に対する基準として使ったり、室内照明が当たる場所で屋外の色を測ったりすると正しい判断ができません。
- 無彩色のグレーカードを使う
- 撮影対象と同じ光に置く
- 白飛びしていない部分を見る
- 色付きの紙や壁は避ける
- 離陸前に短いテストを撮る
白い紙でも簡易的な確認はできますが、紙自体に青みや黄みがあったり、明るすぎて白飛びしたりすると基準にならないため、階調が残っているグレーや白の部分を使うことが重要です。
空撮中に基準物を画面へ入れられない場合でも、離陸前に同じ方向の光を受けた地面や建物を撮影しておけば、撮影後の編集で各カットの色をそろえるための参考素材として利用できます。
短いテスト撮影で確定する
設定画面のライブビューだけでは、送信映像の圧縮、モニターの明るさ、周囲の反射、日差しによる見えにくさなどの影響を受けるため、本番前に数秒のテスト動画を記録して再生する工程を入れます。
テストでは機体を静止させるだけでなく、本番で予定している方向へゆっくり旋回し、空、地面、太陽方向、反対方向が画面に入ったときも色が不自然に変化しないかを確認します。
マニュアルホワイトバランスへ切り替えたつもりでも、撮影モードを変更した際に設定が個別管理されていたり、写真モードと動画モードで異なる値が保存されていたりする場合があるため、録画開始前に表示を再確認します。
テスト映像に大きな問題がなければ数値を固定して本番へ進み、光が変化していない間は細かな色の違いを気にして頻繁に設定を動かさず、同じシーンの統一感を優先します。
離陸前の数分で色を安定させる

ホワイトバランスの失敗は、飛行中に感覚だけで設定を変えるよりも、離陸前に確認項目を決めて順番どおりに操作することで減らせます。
撮影場所へ到着したら、空の状態、太陽の方向、地表の色、撮影する時間帯を確認し、露出やカラープロファイルを決めた後にホワイトバランスを固定すると、判断の基準がぶれにくくなります。
機種やアプリのバージョンによって設定画面の名称や配置は異なりますが、考え方は共通しているため、数値を暗記するよりも、どの色を見てどちらへ調整するかを理解しておくことが大切です。
設定画面を順番に確認する
多くの空撮用ドローンでは、撮影画面からカメラパラメーターを開き、ホワイトバランスのAutoを解除すると、ケルビン値または晴天、曇天、白熱灯などのプリセットを選べます。
DJI製品の一部ではDJI Flyアプリ内でシャッタースピード、ISO、ホワイトバランスを手動設定できることがDJI公式サポートでも案内されていますが、利用できる項目や操作方法は機種ごとに異なるため、使用機体の説明書も確認します。
- 動画モードを選択する
- 解像度とフレームレートを決める
- 露出設定を確認する
- カラープロファイルを選ぶ
- ホワイトバランスを手動にする
- ケルビン値を調整する
- 録画前に固定状態を再確認する
撮影モードを切り替えた後に値が戻る機体もあるため、写真から動画へ変更した場合、通常色からログ系のプロファイルへ変更した場合、広角カメラから望遠カメラへ変更した場合は、ホワイトバランスが維持されているかを確かめます。
設定を終えたら、誤操作を防ぐために画面上のWB表示やケルビン値の位置を覚えておき、録画中に数値が変わっていないことを短時間で確認できる状態にします。
モニターでは無彩色を探す
ホワイトバランスを目視で調整するときは、画面全体の印象だけで判断せず、本来は白、グレー、黒に近いと分かっている被写体を探し、その被写体に不自然な色が付いていないかを確認します。
青空や夕焼け、森、海などはもともと強い色を持つため、画面全体を無彩色へ近づけようとすると本来の色まで失われ、風景の魅力を弱める結果になりやすい点に注意が必要です。
| 見えている状態 | 考えられる傾向 | 調整方向 |
|---|---|---|
| 白い雲が水色 | 設定が低い | K値を上げる |
| 白い壁が黄色 | 設定が高い | K値を下げる |
| 雪が紫に見える | 色温度以外の偏り | 編集時に色かぶり補正 |
| 森全体が黄緑 | 反射光の影響 | グレー部分で再判断 |
| 夕焼けが白っぽい | 補正しすぎ | 暖色を少し戻す |
機体側で調整できるのがケルビン値だけの場合、緑とマゼンタ方向の色かぶりを完全に直せないことがあるため、温度を無理に動かして解決しようとせず、自然に近い地点で固定して撮影後に色かぶりを補正します。
スマートフォンや送信機の画面には個体差があり、画面の色温度を自動調整する機能やブルーライト低減機能が有効だと判断を誤りやすいため、撮影時は可能な範囲で表示色を変える機能を停止します。
同じシーンでは値を変えない
同じ場所で連続して使うカットを撮る場合は、太陽が雲に隠れるなど明確な変化がない限り、ホワイトバランスの値を統一しておくと編集時の色合わせが簡単になります。
たとえば、建物へ接近するカット、上昇しながら全景を見せるカット、建物の周囲を旋回するカットを同じ時間帯に撮るなら、構図ごとに色を調整せず、ひとつの基準値で撮影したほうが自然につながります。
ライブビューでは構図によって暖かく見えたり冷たく見えたりしますが、そのたびに設定を変更すると素材間の基準が失われるため、光源が同じであれば被写体の色の違いとして受け入れることも必要です。
雲が厚くなった、日没が進んだ、日なたから山陰へ移動したなど光の性質が変わった場合は、新しいシーンとして設定を見直し、変更前後の映像を同じカットとしてつなげないように記録を分けます。
光が変わる空撮現場では基準を持つ

地上のカメラと異なり、ドローンは短時間で高度、向き、撮影対象を変えるため、同じ飛行中でもカメラへ届く光の状態が大きく変化します。
正しいケルビン値を一つ覚えるだけではあらゆる環境に対応できないので、撮影対象の本来の色、光源の種類、作品として残したい雰囲気という三つの基準で判断することが重要です。
場面ごとの特徴を理解しておけば、ライブビューで色が変わって見えたときも、ホワイトバランスの問題なのか、被写体や反射光による自然な変化なのかを切り分けやすくなります。
風景ごとの反射光を読む
空撮では地面からの反射光が画面の色へ影響しやすく、海の上では青、森林では緑、赤土の地域では赤やオレンジが強く感じられるため、画面全体の色を見ただけではホワイトバランスを正確に判断できません。
反射光による色は現地の風景を構成する自然な要素なので、無理に打ち消すのではなく、白い建物、道路、雲、岩などの比較的無彩色な部分を基準にして、必要な色だけを残します。
| 撮影場所 | 起こりやすい見え方 | 判断の基準 |
|---|---|---|
| 海岸 | 全体が青く見える | 波や雲の白 |
| 森林 | 緑や黄緑が強い | 道路や岩のグレー |
| 市街地 | 建材の色が混在する | 白い屋根や路面 |
| 雪原 | 青や紫が目立つ | 階調が残る雪 |
| 赤土の土地 | 暖色が強く見える | 雲や無彩色の建物 |
海を青く見せたいから低いケルビン値へ設定する方法や、紅葉を鮮やかに見せたいから高い値へ設定する方法は演出として使えますが、白い被写体まで大きく変色するほど調整すると人工的な映像になります。
まず自然に見える基準値で撮影し、海の青や紅葉の暖色を強める処理は編集時に特定の色だけを調整するほうが、空や建物への影響を抑えながら作品の印象を作れます。
雪や水面では露出と分けて考える
雪景色や強い水面反射を撮ると、画面が明るすぎたり暗すぎたりする問題と、青みや黄みが強い問題が同時に起こりやすいため、露出とホワイトバランスを分けて調整する必要があります。
雪がグレーに見える場合は露出不足の可能性があり、雪が青く見える場合は空や日陰の反射またはホワイトバランスの影響が考えられるため、ケルビン値だけを上げて明るさまで直そうとしないことが大切です。
- ヒストグラムで明るさを確認する
- 白飛び警告を確認する
- 階調が残る雪を色の基準にする
- 日なたと日陰を分けて考える
- 偏光フィルターの効果を過信しない
- 青みを完全に消しすぎない
雪の日陰には青空の光が反射するため、肉眼でも青く見えることがあり、その青みをすべて取り除くと日なたが黄色くなる場合があるので、日なたと日陰の両方が自然に見える中間地点を探します。
水面では太陽の反射や空の映り込みによって一部分だけ色と明るさが大きく変わるため、反射部分を白の基準にせず、岸辺の建物や雲など安定した被写体を使って調整します。
人工照明が混ざる時間帯に注意する
日没後の市街地では、残照の青い自然光、暖色の街灯、白色のLED、看板の光など色温度の異なる光源が同時に存在するため、すべてを一つのホワイトバランスで自然に見せることは困難です。
このような環境では、映像の主役を決め、街灯や建物を見せたい場合は人工照明が自然に見える値へ寄せ、空の青い時間帯を見せたい場合は残照の色を基準にするという選択が必要です。
暖色の街灯を完全な白へ補正すると空や白色LEDが青くなり、空を中立にすると街灯がオレンジに見えるため、色の違いを失敗として消すのではなく、時間帯の雰囲気として残す考え方も有効です。
飛行中に地域の明るい看板や照明が画面へ入っても、マニュアルで固定していれば映像全体の色は急変しないので、混在光の撮影ほどオートを避ける効果が大きくなります。
編集で直しやすい素材を残す

撮影時に適切なホワイトバランスへ近づけることは重要ですが、小型ドローンのモニターだけで色を完全に決めるのは難しいため、撮影後に微調整できる記録形式や設定を選ぶことも大切です。
写真ではRAW、動画では機体が対応していればログ系または低コントラストのカラープロファイルを利用すると、標準設定より調整の余地を確保しやすくなります。
ただし、編集耐性の高い形式を使っても、撮影中にホワイトバランスが動いた映像を簡単に直せるわけではないので、マニュアル固定を基本としたうえで記録形式を選びます。
RAWやログでも固定を優先する
RAW写真はJPEGよりも撮影後のホワイトバランスを柔軟に変更できますが、現場で色を合わせなくてもよいという意味ではなく、撮影時に近い値へ設定しておくことで編集の開始点が分かりやすくなります。
動画のログ系プロファイルも階調や色情報を調整しやすい一方、圧縮された動画内で撮影途中の色温度が変化すると、カット全体へ同じ補正を適用できず、部分ごとの修正が必要になります。
| 記録方法 | 調整の余地 | 撮影時の注意 |
|---|---|---|
| JPEG写真 | 比較的小さい | 現場で慎重に合わせる |
| RAW写真 | 大きい | 基準値を記録する |
| 通常色の動画 | 機種により異なる | 大きな色かぶりを避ける |
| ログ系動画 | 比較的大きい | WBを固定する |
| 自動補正済み動画 | 限定されやすい | 撮影中の変化を防ぐ |
ログ映像はコントラストや彩度が低く表示されるため、モニター上で色を判断しにくい場合がありますが、白やグレーに不自然な色が付いていないかを確認し、必要であれば表示用の変換機能を利用します。
複数のカメラを使う案件では、ドローンと地上カメラのケルビン値を可能な範囲でそろえ、撮影開始時に同じグレーカードを記録しておくと、編集時のカメラ間マッチングがしやすくなります。
編集では温度から調整する
撮影後に映像の色を直すときは、最初から彩度や特定の色相を動かすのではなく、色温度、色かぶり、露出、コントラスト、彩度という順序で調整すると原因を切り分けやすくなります。
色温度で青とオレンジの偏りを整えた後、緑またはマゼンタ方向の偏りが残っていれば色かぶり補正を使い、それから明るさやコントラストを決めると、過剰な補正を防げます。
- 基準になるカットを一つ選ぶ
- 白やグレーの色を整える
- 露出とコントラストを調整する
- 同じ場面のカットへ設定を反映する
- カットごとの差を微調整する
- 最後に彩度や色相を演出する
Adobeの公式解説でも、ニュートラルなグレーまたは白の部分を基準にホワイトバランスを調整する方法が案内されているため、白飛びしていない無彩色部分を選ぶことが基本になります。
夕景や夜景では完全な無彩色を目指すと現場の雰囲気が失われる場合があるので、自動補正の結果をそのまま採用せず、基準を作った後に作品として必要な暖色や寒色を戻します。
よくある失敗を撮影前に防ぐ
最も多い失敗は、オートホワイトバランスのまま長い旋回や移動撮影を行い、画面内の空や地面の割合が変わった瞬間に映像の色が動いてしまうことです。
次に多いのは、晴天なら必ず5600Kというように数値だけを信じ、モニター上で明らかな青かぶりや黄かぶりが見えているにもかかわらず、現場の光に合わせて調整しないことです。
ケルビン値を作品の色作りとして極端に動かす失敗もあり、夕焼けを強めようとして白い建物までオレンジにしたり、海を青く見せようとして人物や砂浜まで青くしたりすると、後から一部の色だけを戻す作業が必要になります。
送信機の画面が暗い状態や色調整機能が有効な状態で判断すること、露出不足による色の濁りをホワイトバランスだけで直そうとすること、写真モードの設定が動画にも反映されていると思い込むことも避ける必要があります。
撮影前にオート解除、ケルビン値、露出、カラープロファイル、録画形式を確認し、数秒のテスト映像を再生する習慣を作れば、多くの失敗は離陸前に発見できます。
色を固定すれば空撮映像はつながりやすくなる
ドローンのホワイトバランスは、晴天なら5200Kから5600K、曇天なら5600Kから7000K程度を出発点にし、白い雲、グレーの道路、白い建物などを見ながら青みや黄みを調整するのが基本です。
重要なのは数値を完全に当てることではなく、オートホワイトバランスによる撮影中の色変化を防ぎ、同じ光で撮るカットを共通の値へ固定することで、光の状態が大きく変わったときだけ新しいシーンとして設定を見直します。
朝夕の暖色、雪の日陰の青、海や森林からの反射光、夜景の混在照明などは現場に存在する自然な色でもあるため、すべてを無彩色へ補正せず、基準となる白を確認しながら残したい雰囲気とのバランスを取ることが大切です。
撮影後の補正を前提にする場合でも、RAWやログ系プロファイルへ任せきりにせず、現場で大きな色かぶりを抑えてホワイトバランスを固定しておけば、複数カットへ共通の調整を適用しやすくなります。
離陸前に光を確認し、マニュアルへ切り替え、目安の値を入力し、無彩色の被写体を見て微調整し、短いテスト撮影を行うという流れを習慣にすれば、色が安定した空撮素材を継続的に残せます。



