ドローンの飛行ログをいつまで保存すればよいのかは、趣味で飛ばす人にも、点検や撮影を仕事で受ける人にも迷いやすいテーマです。
メーカーアプリに残るログ、国土交通省が示す飛行日誌、DIPSで通報した飛行計画、現場で作った点検表やヒヤリハット記録が混ざると、何を法令上の記録として扱い、何を実務上の証拠として残すべきかが見えにくくなります。
特に注意したいのは、ドローンの飛行ログの保存期間を単純に「二年」「一年」「アプリに残る限り」と決めてしまうことです。
国土交通省が公表している無人航空機の飛行日誌の取扱要領では、飛行日誌の記載と保管は無人航空機が登録されている間は継続する考え方が示されており、特定飛行を行う場合は飛行日誌の作成や携行も重要になります。
ここでは、公式資料で確認できる考え方を軸に、どの記録をどのように残すべきか、紙とデジタルをどう使い分けるか、削除や機体売却の前に何を確認するかまで、実務で困らない形に整理します。
ドローン飛行ログの保存期間はいつまで?

結論からいうと、法令対応を意識するなら、飛行日誌に該当する記録は無人航空機が登録されている間は継続して保管する前提で考えるのが安全です。
国土交通省の飛行計画の通報・飛行日誌の作成に関する案内では、特定飛行を行う者が飛行や整備などの情報を遅滞なく飛行日誌に記載する制度であることが示されています。
また、国土交通省の無人航空機の飛行日誌の取扱要領では、飛行日誌の記載と保管は無人航空機が登録されている間は継続しなければならないとされているため、保存期間は機体の登録状態と結び付けて理解する必要があります。
基本は登録中の継続
ドローンの飛行ログを法令対応として考える場合、中心になるのはメーカーアプリの自動ログではなく、飛行日誌として求められる記録です。
無人航空機の飛行日誌の取扱要領では、飛行日誌は機体ごとに備え、過去の飛行実績や点検、整備、改造の記録を時系列で確認できるようにするものとされています。
そのうえで、飛行日誌の記載と保管は、無人航空機が登録されている間は継続しなければならないという考え方が示されています。
つまり、特定飛行で使う登録機体については、一定月数が過ぎたから古い記録を捨てるという発想ではなく、登録されている間は参照や提示ができる状態を維持する発想が基本になります。
実務では、現場に持っていく記録と事務所やクラウドで保管する過去記録を分けながら、必要なときに遅滞なく確認できる状態を作ることが重要です。
二年説は慎重に扱う
インターネット上では、ドローンの飛行ログや飛行日誌の保存期間について二年という説明を見かけることがあります。
しかし、少なくとも国土交通省の飛行日誌の取扱要領を軸に読むと、基本になる表現は無人航空機が登録されている間の継続であり、単純に二年で廃棄してよいという理解には注意が必要です。
二年という目安だけで運用すると、機体を継続登録しているにもかかわらず古い点検整備記録や不具合対応の流れを追えなくなる可能性があります。
特に事業で使う機体は、事故対応、保険対応、発注者への説明、社内教育、操縦者の経験管理など、法令以外の場面でも過去ログが価値を持ちます。
そのため、保存期間を決めるときは、短い年数だけを採用するのではなく、登録中は保管し、登録抹消後も実務上必要な期間を残すという二段構えで考えるのが現実的です。
特定飛行では義務になる
飛行日誌の作成が特に重要になるのは、航空法上の特定飛行を行う場合です。
特定飛行とは、空港周辺、一定以上の高度、人口集中地区、夜間、目視外、人や物件との距離が近い飛行など、航空法上の許可や承認の対象になり得る飛行を含む考え方です。
国土交通省の案内では、特定飛行を行う際に飛行日誌を備えない場合、記載すべき事項を記載しない場合、虚偽記載を行った場合には罰則の対象になる旨が示されています。
そのため、特定飛行を含む業務では、飛行後にアプリのログが残っているかどうかよりも、飛行日誌として必要な項目が整っているかを優先して確認すべきです。
保存期間の議論も、単なるデータ整理ではなく、義務のある記録をいつでも説明できる状態にするための管理期間として捉える必要があります。
対象ログを切り分ける
ドローンの飛行ログという言葉は広く使われますが、保存期間を考えるときは記録の種類を切り分ける必要があります。
同じログでも、法令対応の飛行日誌、メーカーアプリが自動生成する機体ログ、撮影データ、バッテリー管理表、飛行計画の通報控えでは役割が異なります。
| 記録の種類 | 主な目的 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 飛行日誌 | 法令対応 | 登録中は継続保管 |
| アプリログ | 状況確認 | 補助資料として保管 |
| 飛行計画 | 事前通報 | 実施記録と照合 |
| 撮影データ | 成果物管理 | 契約と個人情報で判断 |
このように分けると、すべてを同じ保存期間にする必要はない一方で、飛行日誌に関係する情報は機体登録中に参照できる状態を優先するべきだとわかります。
アプリログは補助資料
DJIなどのメーカーアプリには、飛行時間、ルート、位置、高度、機体状態、エラー表示などが自動的に残ることがあります。
これらは事故や不具合が起きたときの状況確認に役立ちますが、メーカーアプリに保存されているだけで飛行日誌の必要項目をすべて満たすとは限りません。
国土交通省のガイドラインでは、クラウド環境や専用アプリでの記録管理も可能とされていますが、取扱要領に定める様式の記載事項を一括して参照または提示できる必要があります。
つまり、アプリログを使う場合でも、公式様式の項目に対応する形で表示や出力ができるかを確認しなければなりません。
アプリ内のデータは便利ですが、アカウント変更、端末故障、同期解除、サービス仕様変更で見られなくなる可能性もあるため、PDF出力やCSV出力などの保全方法を併用するのが安全です。
携行と保管は別管理
飛行日誌では、現場に携行すべき記録と、使用者の責任で適切に保管すべき過去記録を分けて考える必要があります。
紙媒体で飛行記録を作成する場合、操縦者は直近の点検整備以降の飛行記録を携行し、それ以前の記録は必要に応じて参照または提示できる状態で保管する考え方が示されています。
日常点検記録についても、紙媒体の場合は直近の点検整備以降の記録を携行し、それ以外は使用者の責任で保管する運用が基本になります。
一方で、点検整備記録は飛行させる際にすべての記録を他の記録とともに携行する扱いが示されているため、飛行記録や日常点検記録とは注意点が異なります。
- 現場携行分を明確化
- 過去記録を事務所保管
- クラウドで即時参照
- 点検整備記録を常時確認
保存期間を決めるだけでなく、必要な記録を現場で示せるかまで設計しておくことが、監査や立入確認で慌てないための実務ポイントです。
機体売却時も引き継ぐ
ドローンを売却したり、リース契約を変更したり、社内で使用部署を移したりするときは、飛行ログを消して終わりにしないことが重要です。
国土交通省の取扱要領では、所有者や使用者の変更があった場合、飛行記録については総飛行時間の情報を、日常点検記録や点検整備記録については紙または電磁的記録の方法で当事者間で確実に受け渡す考え方が示されています。
この受け渡しが不十分だと、新しい使用者は機体の過去の整備履歴や不具合傾向を把握できず、安全確認の出発点を誤るおそれがあります。
中古機体を購入する側も、外観や飛行時間だけでなく、点検整備記録、修理履歴、墜落や接触の有無、バッテリー管理の履歴を確認することが望ましいです。
保存期間の問題は、機体を持っている期間だけの問題ではなく、機体の安全履歴を次の管理者へ引き継ぐ問題でもあると考えるべきです。
削除前に確認する
スマートフォンの容量不足や業務整理のタイミングで、古い飛行ログやアプリデータを削除したくなることがあります。
しかし、削除する前には、そのデータが飛行日誌の必要項目を補う唯一の資料になっていないか、事故や不具合の説明に関係していないか、発注者や保険会社との確認に使う可能性がないかを確認する必要があります。
特に、飛行中の異常表示、強風による中止判断、第三者からの苦情、離着陸場所の変更、機体の接触などがあった日のログは、通常の飛行より長く残す価値があります。
削除する場合も、アプリ内から消す前に、飛行日、機体登録記号、操縦者、飛行場所、飛行時間、記事欄の内容、点検結果との対応が別の場所に残っているかを確認しましょう。
最終的には、削除してよいログと残すべきログを現場担当者の感覚だけで判断せず、社内ルールとして明文化しておくことが安定した運用につながります。
飛行日誌に残すべき記録の中身

ドローンのログ保存を正しく考えるには、飛行日誌が単なる飛行時間のメモではないことを押さえる必要があります。
国土交通省の資料では、飛行日誌は飛行記録、日常点検記録、点検整備記録の三つを中心に構成され、それぞれ記載するタイミングや携行の考え方が異なります。
保存期間を決める前に、どの記録がどの目的を持ち、現場でどのように確認されるのかを理解しておくと、アプリログやExcel台帳の作り方も整理しやすくなります。
飛行記録
飛行記録は、無人航空機を飛行させた都度記載する記録であり、操縦者の経験管理と機体の運用履歴を結び付ける中心的な情報です。
飛行した日時、場所、操縦者、機体、飛行時間、飛行の目的、飛行中に起きた不具合や処置の概要などを後から追える状態にしておくことが重要です。
| 項目 | 確認する意味 |
|---|---|
| 飛行日 | 履歴の特定 |
| 飛行場所 | 区域確認 |
| 操縦者 | 責任の明確化 |
| 飛行時間 | 経験と整備管理 |
| 記事欄 | 異常や処置の記録 |
保存期間を長く取るほど検索性が重要になるため、日付や機体登録記号で並べるだけでなく、案件名や現場名でも探せる設計にしておくと実務で使いやすくなります。
紙の様式で運用する場合も、一定期間ごとにスキャンしておけば、現場に原本を持ち出さずに過去記録を確認できるため、紛失や汚損のリスクを下げられます。
日常点検記録
日常点検記録は、飛行前後の安全確認を形に残すための記録であり、機体の状態を毎回把握するために欠かせません。
プロペラ、フレーム、モーター、通信、バッテリー、操縦装置、カメラや積載物の固定など、機体や業務に応じた項目を漏れなく確認することが重要です。
点検項目は機体設計者が指定する場合もあり、型式認証等を受けた機体では整備手順書に基づく点検が必要になる場面もあります。
- 外観の破損
- プロペラの欠け
- バッテリー状態
- 通信の安定
- 異常音の有無
- 離着陸場所の安全
日常点検記録は飛行記録より軽く見られがちですが、不具合の予兆を見逃していないかを示す資料になるため、保存期間中に読み返せる形式で残す価値があります。
点検で異常を見つけた場合は、日常点検記録だけで終わらせず、必要に応じて点検整備記録にも具体的な処置内容を残すことが望ましいです。
点検整備記録
点検整備記録は、定期的な点検整備、修理、部品交換、改造、不具合に対する是正処置などを記録するもので、機体の安全履歴を説明する重要な資料です。
飛行時間が増えるほど、過去にどの部品を交換したか、墜落や接触後にどの範囲を確認したか、メーカー修理に出したかが安全判断に大きく影響します。
点検整備記録は、操縦者個人の経験を示す飛行記録とは異なり、機体そのものの健康状態を示す履歴として扱う必要があります。
そのため、飛行のたびにすべてを記載するものではありませんが、整備や改造を行った都度、作業日、実施者、内容、結果、次回確認事項を残しておくと、後日の説明が容易になります。
保存期間中に点検整備記録が抜けると、総飛行時間と整備実績がつながらなくなり、機体売却や事故調査の場面で信頼性を下げる原因になります。
保存期間を決める実務基準

公式資料の考え方を踏まえると、登録中は飛行日誌を継続して保管することが基本になります。
ただし、業務でドローンを使う場合は、登録中かどうかだけではなく、契約、保険、事故対応、社内監査、操縦者教育、個人情報管理まで含めて保存ルールを作る必要があります。
ここでは、現場で実際に迷いやすい登録抹消後の扱い、不具合記録の残し方、委託業務での責任分担を中心に、保存期間を決める基準を整理します。
登録抹消後の余裕
無人航空機が登録されている間は飛行日誌の記載と保管を継続する考え方が基本ですが、登録を抹消した直後にすべての記録を消す運用はおすすめできません。
登録抹消後であっても、過去の飛行に関する問い合わせ、保険会社からの確認、発注者との成果物確認、社内の事故分析などが後から発生する可能性があります。
特に業務で使った機体は、案件ごとの報告書や請求書、撮影データ、飛行許可承認書、飛行計画の控えと飛行日誌が結び付いていることがあります。
| 状況 | 残す判断 |
|---|---|
| 登録中 | 継続保管 |
| 抹消直後 | 即時削除しない |
| 業務案件あり | 契約期間に合わせる |
| 事故や苦情あり | 長期保管を検討 |
明確な廃棄日を社内で決める場合も、登録抹消日だけを起点にするのではなく、関連案件の完了日や問い合わせ対応の余地を見て、余裕を持った保存期間にすることが実務的です。
個人利用でも、墜落や修理を経験した機体は、次の機体選びや操縦練習の改善に使えるため、抹消後もしばらく記録を残しておく価値があります。
異常時は長く残す
通常の飛行と、事故、不具合、苦情、ヒヤリハットがあった飛行では、ログの保存価値が大きく異なります。
異常時のログは、単なる飛行履歴ではなく、原因分析、再発防止、説明責任、保険対応、操縦者教育に使う資料になります。
たとえば、GPSの不安定、コンパスエラー、バッテリー電圧低下、強風による中止、第三者の接近、離着陸場所の変更などは、記事欄や別紙メモに残すべき情報です。
- 機体異常
- 通信途絶
- 接触や墜落
- 第三者の苦情
- 飛行中止判断
- 保険相談の可能性
こうした記録は、通常ログよりも削除優先度を下げ、関連する写真、整備記録、操縦者の聞き取り、現場図面と一緒に保管すると後から原因を追いやすくなります。
異常があった日に限って記録が残っていないという状態は、法令対応だけでなく安全文化の面でも大きな弱点になるため、保存ルールの中で別扱いにしておくべきです。
委託業務は契約で決める
空撮、測量、点検、農薬散布などを受託して飛行する場合、飛行ログの保存期間は自社の判断だけでなく契約条件とも関係します。
発注者が成果物、飛行計画、許可承認書、操縦者情報、保険証券、飛行実績の提出を求める場合、飛行日誌の一部を後から説明できるようにしておく必要があります。
一方で、撮影データや位置情報には個人情報や施設情報が含まれることがあり、必要以上に長く共有したり、アクセス権限を広げたりすると別のリスクが生じます。
そのため、委託契約では、飛行日誌を自社が保管するのか、提出するのは写しなのか、撮影データとログをいつ削除するのか、事故発生時には誰へ開示するのかを事前に決めておくことが望ましいです。
保存期間を契約書や業務手順書に書いておけば、担当者の交代後も同じ基準で管理でき、発注者からの問い合わせにも一貫した説明ができます。
紙とデジタルで安全に保管する方法

飛行日誌は、紙媒体でも電磁的記録でも管理できますが、どちらを選んでも必要な項目を参照または提示できる状態にしておくことが大切です。
紙は現場で扱いやすく、記入の実感がある一方で、紛失、汚損、検索性の低さが課題になります。
デジタルは検索や共有に強い一方で、端末故障、アカウント権限、バックアップ漏れ、サービス終了などのリスクがあるため、保存期間を満たすには運用設計が欠かせません。
紙台帳は原本を守る
紙の飛行日誌は、現場でさっと確認でき、通信環境に左右されずに記録できる点が強みです。
一方で、雨天現場、土木現場、海沿いの撮影、農地での散布などでは、汚れや湿気で読みにくくなるリスクがあります。
紙で運用する場合は、現場携行用と保管用を混同せず、原本を不用意に持ち出し続けないことが重要です。
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 紛失 | 持出管理を行う |
| 汚損 | 防水ケースを使う |
| 検索困難 | 月別に綴じる |
| 共有遅れ | 撮影後にPDF化 |
紙台帳は、記入後にスキャンしてPDF化し、機体登録記号や日付でファイル名を統一すると、長期保存と検索性を両立しやすくなります。
修正が必要な場合は、後から内容が追える形にし、消せるペンや上書きで履歴が不明になる方法は避けるべきです。
デジタルは出力性を重視
デジタル管理を採用する場合、最も重要なのは、必要なときに公式様式に相当する項目をまとめて表示または印刷できることです。
アプリの画面上では細かなログが見えていても、監査や社内確認の場面で一覧出力できなければ、記録として使いにくくなります。
また、操縦者ごとのスマートフォンにログが分散していると、退職、端末変更、アカウント削除のタイミングで記録が失われる可能性があります。
- PDF出力
- CSV出力
- 権限管理
- 操作履歴
- 検索機能
- バックアップ
デジタル化の目的は紙をなくすことではなく、保存期間中に必要な記録へ早く正確にたどり着ける状態を作ることです。
クラウドを使う場合は、管理者アカウントを個人メールだけにせず、組織として継続管理できる権限設計にしておくと、担当者交代時の混乱を防げます。
バックアップは多層化する
長期保存を前提にするなら、ログを一カ所にだけ保存する運用は避けるべきです。
スマートフォン、送信機、パソコン、クラウド、外部ストレージのどれか一つに依存すると、故障やアカウントトラブルで記録が失われる可能性があります。
特に業務飛行では、月次で飛行日誌をPDF化し、案件別フォルダと機体別フォルダの両方から参照できるようにすると、問い合わせに対応しやすくなります。
バックアップは保存するだけでなく、定期的に復元確認を行い、実際に必要な記録を開けるか、ファイル名で検索できるか、権限のない人が見られないかを確認することが大切です。
保存期間を長く設定しても、ファイルが壊れていたり、担当者しか場所を知らなかったりすれば、実質的には保存していないのと同じ状態になります。
よくある誤解を避ける実務の注意点

ドローンの飛行ログ保存で失敗しやすいのは、制度上の飛行日誌と便利なアプリログを同じものとして扱ってしまうことです。
また、飛行計画の通報をしているから飛行後の記録は不要だと考えたり、動画や写真を残しているからログも残っていると誤解したりするケースもあります。
ここでは、保存期間そのものよりも実務上のトラブルにつながりやすい誤解を整理し、どのように避けるべきかを解説します。
アプリだけに頼らない
メーカーアプリのログは非常に便利ですが、それだけに頼ると、法令対応や業務説明に必要な情報が抜けることがあります。
たとえば、アプリには飛行ルートや機体状態が残っていても、誰が業務責任者として判断したか、どの許可承認に基づく飛行か、点検で何を確認したかまでは別管理になっていることがあります。
| 誤解 | 起こり得る問題 |
|---|---|
| 自動ログで十分 | 必要項目が不足 |
| 端末に残る | 機種変更で消失 |
| クラウド同期済み | 出力できない |
| 操縦者任せ | 組織で追えない |
アプリログは、飛行日誌を補強する資料として位置付け、公式様式の項目や社内台帳と結び付けて残すのが安全です。
特に複数人で運用する会社では、個人端末のログを組織の記録へ移すタイミングを決めておくことで、保存期間中の抜け漏れを防げます。
ログの自動保存機能がある場合でも、月末や案件終了時に確認する工程を入れ、飛行日誌と一致しているかを確認する習慣を作りましょう。
飛行計画と混同しない
飛行計画の通報は、特定飛行を行う前に飛行日時や経路などを通報する手続きであり、飛行後の実績を記録する飛行日誌とは役割が異なります。
飛行計画をDIPSで通報したからといって、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録の作成や保管が不要になるわけではありません。
むしろ実務では、通報した計画と実際の飛行内容が一致しているか、中止や変更があった場合にどう記録したかが重要になります。
- 計画は飛行前
- 日誌は飛行後も管理
- 変更理由を記録
- 中止判断も残す
- 点検結果と照合
飛行計画と飛行日誌を同じフォルダに保存する場合でも、ファイル名や台帳上の列を分け、事前の通報情報と実施後の実績情報を混ぜないようにしましょう。
特に包括申請や複数現場を扱う事業者は、計画番号、案件名、機体登録記号、操縦者を紐づけておくと、後から確認するときに混乱しにくくなります。
映像データは別ルール
空撮や点検で取得した写真や動画は、飛行ログと一緒に保管されることがありますが、同じ保存期間でよいとは限りません。
映像には人物、車両ナンバー、住宅、施設内部、工場設備、工事現場の進捗など、個人情報や営業秘密に関係する情報が含まれる場合があります。
一方で、飛行日誌は機体の運用履歴や安全管理を示す記録であり、映像データとは保存目的が異なります。
そのため、飛行日誌は登録中の継続保管を基本にしつつ、映像データは契約、個人情報保護、成果物納品条件、発注者のセキュリティ要件に合わせて保存期間を別に設定することが望ましいです。
ログと映像を同じクラウドに入れる場合は、閲覧権限を分け、飛行日誌を確認したい人が不要な映像まで見られる状態にしないことも重要です。
安全運用につながる保存ルールの作り方
ドローンの飛行ログは、単に古いデータを残すためのものではなく、機体の状態、操縦者の経験、現場での判断、安全上の改善点を次の飛行へつなげるための記録です。
保存期間の基本は、飛行日誌に該当する記録については無人航空機が登録されている間は継続して保管する考え方を軸にし、登録抹消後や業務終了後も問い合わせや保険対応に備えて余裕を持たせることです。
実務では、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録、アプリログ、飛行計画、撮影データを混同せず、それぞれの目的に合わせて保存場所、閲覧権限、出力方法、削除判断を決める必要があります。
特に特定飛行を行う場合は、飛行日誌の作成や携行が重要になるため、現場に持っていく記録と事務所やクラウドで保管する過去記録を分け、必要なときにすぐ参照できる仕組みを整えましょう。
最も避けたいのは、アプリに残っていると思っていたログが端末変更で消えたり、二年などの曖昧な目安で廃棄した後に説明が必要になったりすることです。
機体ごとの台帳、月次のPDF化、クラウドと外部ストレージの二重保管、異常時ログの長期保管、機体売却時の引き継ぎルールを整えれば、保存期間の不安は大きく減らせます。



