ドローンで道路上を空撮する許可は必要?道路使用と航空法の違いまで迷わず判断できる!

ドローンで道路上を空撮する許可は必要?道路使用と航空法の違いまで迷わず判断できる!
ドローンで道路上を空撮する許可は必要?道路使用と航空法の違いまで迷わず判断できる!
飛行スポット・法規制

ドローンで道路上を空撮したいと考えたとき、多くの人が最初に迷うのは、道路の上を飛ばすだけで警察の許可が必要なのか、国土交通省への申請まで必要なのかという点です。

実際には、道路上空を単に通過させて撮影する行為と、道路上で離着陸したり、補助者や看板を置いたり、通行に影響するロケ撮影を行ったりする行為では、確認すべき手続きが大きく変わります。

さらに、道路使用の判断とは別に、航空法上の人口集中地区、目視外飛行、人や物件から30m未満の飛行、夜間飛行、緊急用務空域、機体登録、飛行計画の通報なども確認しなければなりません。

この記事を読むと、ドローンで道路を含む風景を空撮する前に、どの場面で道路使用許可を考えるべきか、どの場面で航空法の許可や承認が問題になるか、現場で何を準備すればよいかを順番に整理できます。

ドローンで道路上を空撮する許可は必要

結論から言うと、道路の上空でドローンを単に飛行させて空撮するだけなら、道路使用許可が常に必要になるわけではありません。

ただし、これは道路使用の話であり、航空法に基づく飛行許可や承認、機体登録、飛行計画の通報、土地や施設の管理者の同意が不要になるという意味ではありません。

道路上の空撮では、道路交通法の観点、航空法の観点、現場管理の観点を分けて考えることが失敗を避ける近道です。

判断は三層で分ける

最初に押さえたいのは、道路上空の空撮を一つの許可だけで判断しないことです。

警察に関係する道路使用、国土交通省に関係する航空法、所有者や管理者に関係する場所の利用ルールは、それぞれ目的も審査する観点も違います。

確認する層 主な観点 相談先の例
道路使用 交通への影響 管轄警察署
航空法 空域と飛行方法 国土交通省
場所管理 離着陸や立入管理 土地や施設の管理者

この三層を混同すると、警察に相談したから航空法も大丈夫だと思い込んだり、DIPSで承認を取ったから道路上に補助者を置いてよいと考えたりする危険があります。

道路上空だけなら原則不要

警察庁の無人航空機に係る道路使用許可の取扱いに関する通達では、道路の上空で無人航空機を単に飛行させる行為について、原則として道路使用許可を要しないという考え方が示されています。

これは、空を飛んでいるだけの行為が直ちに道路上の危険や交通の妨害になるとは限らないためです。

たとえば、道路外の私有地や許可を得た敷地から離着陸し、歩行者や車両の上空を避け、交通規制や人員配置を伴わずに短時間で撮影する場合は、道路使用というより航空法と安全管理の確認が中心になります。

一方で、道路上空だけという言葉に安心しすぎると、実際の現場では歩道上に三脚を置いた、補助者が通行を誘導した、見物人が集まったという別要素で道路使用の問題が生じることがあります。

離着陸は別判断

道路の上を飛ばすことと、道路上でドローンを離着陸させることは、実務上まったく別の判断になります。

車道や歩道で機体を置く、プロペラを回す、操縦者が機体周辺の安全を確保する、離着陸のために通行人を避けさせるといった行為は、道路を本来の通行目的とは違う形で使う要素を持ちます。

そのため、道路上で離着陸を予定する場合は、短時間であっても管轄警察署に事前相談し、道路使用許可の要否を確認するのが安全です。

特に交差点付近、バス停付近、通学路、駅前、商店街、観光地の歩道では、少しの停止や人の滞留でも交通の妨げになりやすいため、道路外に安全な離着陸場所を確保する計画へ変更するほうが現実的です。

補助者や看板は許可要素

道路上に補助者を立たせたり、注意喚起の看板を置いたり、カラーコーンで範囲を示したりする場合は、単なる上空通過とは評価されにくくなります。

これらの措置は安全確保のために必要になることがありますが、道路上に人や物を配置する以上、歩行者や車両の流れに影響する可能性があるからです。

  • 補助者を歩道に配置する
  • 注意看板を道路上に置く
  • カラーコーンで区域を示す
  • 歩行者へ迂回を依頼する
  • 撮影車両を長時間停車する

安全対策をするほど道路使用許可が不要になるのではなく、安全対策の内容によっては道路を使う行為として確認が必要になる点を押さえることが大切です。

人が集まる撮影は慎重

ドローンの空撮そのものが短時間でも、出演者、スタッフ、見物人、通行人が道路上や歩道上に集まる撮影は慎重に扱う必要があります。

警察庁はロケ撮影に伴う道路使用許可について、地域住民や道路利用者との合意形成、代替場所や時間帯の検討、複数警察署にまたがる場合の調整などを重視する考え方を示しています。

映像制作では、機体は道路外から飛ばす予定でも、カメラマン、ディレクター、出演者、車両、照明、音声スタッフが道路に広がることで、結果として道路使用の問題になることがあります。

プロモーション動画、ミュージックビデオ、イベント告知、観光PRなど、人の動きや演出を伴う空撮では、ドローン担当者だけで判断せず、制作全体の道路利用計画として警察署へ早めに相談することが重要です。

人口集中地区は航空法を確認

道路使用許可が不要と考えられる場面でも、撮影場所が人口集中地区に該当する場合は、航空法上の飛行許可が問題になります。

国土交通省の無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法では、人口集中地区、空港等周辺、150m以上の上空、緊急用務空域などが許可を要する空域として整理されています。

都市部の道路、駅周辺、住宅街の幹線道路、商業施設の周辺道路では、人口集中地区に該当する可能性が高く、道路上空を少し飛ばすだけでも航空法上の確認を避けられません。

地図上では郊外に見えても人口集中地区の境界内に入っていることがあるため、国土地理院の地理院地図や政府統計の地図サービスを使い、撮影地点だけでなく飛行経路全体を確認する必要があります。

30m未満は承認対象

道路上空の空撮では、人または物件から30m以上離す条件を満たせるかが大きな分かれ目になります。

国土交通省の飛行ルールでは、人や物件から30m未満で飛行する場合、一定の例外を除き承認が必要な飛行方法として扱われます。

道路には歩行者、自動車、自転車、電柱、信号機、街路灯、標識、ガードレール、建物外壁などが密集しているため、実際には30m以上を常に確保するのが難しい現場が少なくありません。

特に道路に沿って低高度で流すように撮る映像、交差点を真上から捉える映像、走行車両を追う映像は、第三者や物件との距離、第三者上空の回避、立入管理措置を同時に検討する必要があります。

緊急用務空域は飛ばさない

道路上の空撮で見落としやすいのが、災害や事故対応に伴って設定される緊急用務空域です。

国土交通省は、警察や消防などの緊急用務を行う航空機の飛行が想定される場合に緊急用務空域を指定し、その空域では既存の許可があっても原則として飛行できないと案内しています。

  • 災害発生後の現場周辺
  • 大規模火災の周辺
  • 事故対応が続く地域
  • 救助ヘリが活動する可能性
  • 国土交通省の最新公示

道路の被害状況や渋滞状況を空撮したい場面ほど緊急用務空域と重なりやすいため、撮影直前にも最新情報を確認し、報道目的や記録目的であっても独自判断で飛ばさない姿勢が必要です。

道路使用許可が必要になりやすい場面

道路使用許可の要否は、ドローンが道路の上を飛ぶかどうかだけで決まるものではありません。

重要なのは、道路上で人や物を置くのか、通行を制限するのか、一般交通に著しい影響を及ぼす撮影なのかという実態です。

ここでは、道路上の空撮で警察署への相談が必要になりやすい典型場面を、現場の動きに沿って整理します。

道路で離着陸する

道路で離着陸する計画は、道路使用許可の検討対象になりやすい代表例です。

機体を置く場所が歩道の端であっても、プロペラの回転、操縦者の立ち位置、着陸時の安全確保、通行人への声掛けが発生すれば、通常の通行とは異なる道路利用になります。

行為 注意点 代替策
歩道で離陸 歩行者と接近 敷地内から離陸
車道で着陸 車両通行に影響 安全な空地へ着陸
路肩で待機 滞留を招く 待機場所を分離

道路外の駐車場、私有地、河川敷、施設敷地などを離着陸場所にできるなら、管理者の同意を得たうえで道路から離す計画にしたほうが、交通面でも安全面でも説明しやすくなります。

通行を止める

歩行者や車両の通行を一時的に止める、迂回させる、撮影のために待ってもらうといった行為は、道路使用許可の判断で大きな意味を持ちます。

ドローンの飛行自体は空中で完結していても、地上側で交通整理に近い動きが生じると、道路における危険や交通妨害の有無を警察が確認する必要が出てきます。

  • 歩行者を待機させる
  • 車両の進入を止める
  • 通路を片側に寄せる
  • 撮影スタッフが誘導する
  • 通行止めの告知を出す

小規模な撮影でも、通行を止める必要があるなら、撮影時間を短くする、交通量の少ない時間へ移す、別ルートを確保する、道路外から撮れる構図に変えるといった調整を先に行うべきです。

ロケ撮影を組む

商用動画や自治体PRのロケ撮影では、ドローンだけでなく出演者、車両、歩行者役、照明、音声、誘導スタッフなどの配置が道路利用に影響します。

警察庁が示すロケ撮影への考え方でも、道路使用に伴う地域住民や道路利用者との合意形成、交通への影響が少ない場所や時間への変更、複数管轄にまたがる場合の調整が重視されています。

特に車両を走らせながら追尾する撮影、道路を背景に演技を行う撮影、観光地の人通りを演出として使う撮影は、偶然の通行人を巻き込みやすく、第三者上空の回避も難しくなります。

ロケ撮影では、航空法担当者、道路使用担当者、施設管理者、制作責任者が別々に動くと抜け漏れが起きやすいため、飛行経路図、地上配置図、タイムスケジュール、緊急時対応を一つの資料にまとめて相談するのが現実的です。

航空法で確認する許可と承認

道路使用許可が不要と判断できても、ドローンの飛行が航空法の特定飛行に当たれば、国土交通省への手続きが必要になります。

国土交通省の案内では、特定飛行を行う場合はDIPS2.0を使った申請が原則とされ、申請から補正、許可書や承認書の受け取りまでオンラインで進められます。

道路上の空撮は人や建物に近くなりやすいため、空域だけでなく飛行方法の承認対象にも注意する必要があります。

特定飛行を見分ける

特定飛行に当たるかどうかは、道路か私有地かではなく、空域と飛行方法で判断します。

国土交通省のDIPS2.0では、空港等周辺、緊急用務空域、150m以上、人口集中地区、夜間、目視外、人や物件から30m未満、催し場所上空、危険物輸送、物件投下などが手続きの対象として整理されています。

区分 道路空撮で起きやすい例 確認の方向
人口集中地区 市街地の道路 許可を確認
30m未満 車両や建物に接近 承認を確認
目視外 建物で機体が隠れる 承認を確認
夜間 夜景道路の撮影 承認を確認

市街地の道路を低高度で撮影する計画は、人口集中地区と30m未満の両方に該当しやすいため、単一の条件だけで判断せず、飛行経路の全体を確認する必要があります。

DIPSで申請する

航空法の許可や承認が必要な場合は、原則としてDIPS2.0で申請を進めます。

国土交通省は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日以上前の提出を求めるとともに、不備対応を考えて3週間から4週間程度の余裕を持つことを案内しています。

  • 機体情報を登録する
  • 操縦者情報を登録する
  • 飛行目的を入力する
  • 日時と経路を示す
  • 安全管理措置を記載する

道路上の空撮では、申請内容に飛行範囲だけでなく、第三者の立入管理、補助者の配置、緊急時の着陸場所、交通への影響を避ける方法を具体的に書けるよう準備しておくと、補正対応で慌てにくくなります。

包括申請を検討する

同じような道路沿いの空撮を継続的に行う事業者や制作会社は、飛行ごとに毎回申請するのではなく、包括申請を検討できる場合があります。

国土交通省の飛行許可・承認申請ポータルでは、同一の申請者が一定期間内に反復して飛行し、継続的に行う場合、1年を限度として包括申請が可能と案内されています。

ただし、包括申請があればどの道路でも自由に飛ばせるわけではなく、許可書や承認書の条件、飛行マニュアル、場所ごとの空域、緊急用務空域、第三者上空の回避を毎回確認する必要があります。

特に道路工事の進捗撮影、橋梁点検、店舗紹介動画、観光ルートの撮影などでは、包括申請の範囲に頼りすぎず、現場ごとの道路使用や管理者調整を別途行う運用が欠かせません。

現場準備で押さえる安全管理

許可や承認の有無を確認できても、道路上の空撮で最終的に重要になるのは現場で第三者を巻き込まない運用です。

道路は予測しにくい場所であり、歩行者、自転車、車両、緊急車両、工事関係者、店舗利用者などが常に入れ替わります。

ここでは、申請書の記載だけで終わらせず、実際の撮影当日に安全性を高めるための考え方を整理します。

飛行経路をずらす

道路を真上から撮れば迫力のある映像になりますが、第三者上空や30m未満の問題が起きやすくなります。

安全を優先するなら、道路の中心線をなぞるより、道路外の開けた場所から斜めに捉える、歩道や車道の真上を避ける、車両や人の流れが少ない時間帯にするなど、構図を工夫するほうが現実的です。

撮りたい映像 リスク 代替構図
道路の真上 第三者上空 斜め俯瞰
車両の追尾 距離不足 固定位置撮影
交差点の俯瞰 人流が複雑 遠景で撮影

映像の見栄えだけで経路を決めると安全管理が後付けになるため、先に避けるべき場所を地図に書き込み、その範囲を外したうえで撮れる構図を探す順番が有効です。

補助者を置く

道路付近の空撮では、操縦者だけで歩行者や車両、機体、電線、風の変化を同時に見るのは困難です。

補助者は安全確保に役立ちますが、道路上に立つ位置、通行人への声掛け、無線連絡の方法、緊急停止の合図を事前に決めておかないと、かえって現場を混乱させることがあります。

  • 操縦者の視界を補う
  • 歩行者の接近を知らせる
  • 車両の流れを観察する
  • 緊急着陸場所を確認する
  • 中止判断を共有する

補助者を配置する場合は、道路使用の確認が必要になる可能性も踏まえ、人数を増やせば安全という発想ではなく、必要最小限の配置で役割を明確にすることが大切です。

写り込みに配慮する

道路の空撮では、歩行者の顔、車のナンバー、住宅の窓、店舗の内部、学校や病院の出入口などが意図せず映り込むことがあります。

国土交通省の飛行ルールでも、航空法令だけでなく関係法令や地方公共団体が定める条例を守ることが求められており、総務省もドローンによる映像撮影のインターネット上での取り扱いに関する案内を出しています。

公開予定の映像では、個人が識別できる場面を避ける、必要に応じてぼかしを入れる、住宅を長時間撮り続けない、撮影目的と公開範囲を事前に整理するなどの配慮が必要です。

特にSNSやYouTubeへ投稿する空撮では、法令上の飛行手続きだけを満たしても、プライバシーや近隣トラブルで問題化することがあるため、公開前の確認工程を撮影計画に組み込むべきです。

道路上の空撮で迷わない進め方

まとめ
まとめ

ドローンで道路上を空撮する許可の考え方は、まず道路使用と航空法を分けて整理することから始まります。

道路の上空を単に飛ばすだけなら道路使用許可が常に必要とは限りませんが、道路上で離着陸する、補助者や看板を置く、通行を止める、人が集まるロケ撮影を行う場合は、管轄警察署への事前相談が重要です。

同時に、人口集中地区、30m未満、目視外、夜間、空港等周辺、緊急用務空域などの航空法上の条件を確認し、必要に応じてDIPS2.0で許可や承認の手続きを進める必要があります。

最も安全な進め方は、飛行経路、離着陸場所、地上スタッフの配置、交通への影響、管理者の同意、映像公開時の配慮を一つの計画にまとめ、道路外から撮れる構図を優先しながら、迷う部分を早めに関係機関へ確認することです。

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